コーヒー好きな方にとっていつかは自家焙煎に挑戦してみたいと思われている方はいらっしゃると思います。でも自家焙煎と聞くと難しそう、そもそも何から揃えればいいのかわからないと思われている方も多いと思います。
そんな方に、家庭でも使える手動式のコーヒー豆焙煎機『ユニオンサンプルロースター』を使った自家焙煎コーヒーの作り方をお伝えします。
難しいと思われる自家焙煎もいくつかのポイントを抑えながら試行錯誤していくときっと満足行くコーヒーが作れるようになります。自家焙煎ができればコーヒーの世界がまた一歩広がること間違いありませんのでぜひ最後までご覧ください。
コーヒー豆・焙煎について
普段、私達がお店で購入するコーヒー豆はどのように作られているのでしょうか?何となく、ブラジルやアフリカで生産されているものというイメージが強いと思いますが、詳しくしご存じの方は少ないと思います。
コーヒー豆はコーヒノキの種子
コーヒー豆はコーヒーノキという植物が実をつける赤や黄色の果実の種です。リンゴやぶどうに様々な品種があるように、コーヒーノキにも多くの品種があります。
品種や産地そして種子の精製方法によって大きく特徴が変わってくるのがコーヒー豆の特徴です。この辺についても今後、記事にしていきたいですね。
焙煎について
お店で販売されているコーヒー豆は精製された種子を煎られたものです。
生豆を加熱するとはじめは水分が蒸発し、その後は熱による化学反応で茶色の豆に変化していきます。
加熱の時間によってコーヒーの香りや味覚は大きく変わってきます。焙煎度が浅煎り・中煎り・深煎りと言われるのはこの加熱の程度によるものです。
焙煎度は更に細かく8段階に分類されます。 お家や喫茶店でよく使われるのは中煎りでハイローストやフルシティローストと呼ばれる焙煎度ですね。
焙煎度 | 呼び名 | 酸味 | 苦み | 補足 |
---|---|---|---|---|
浅煎り | ライトロースト | ★★★★★ | ☆☆☆☆☆ | 強い酸味、苦みはほぼない |
浅煎り | シナモンロースト | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | 強い酸味、コーヒー豆の特徴が出やすい |
中煎り | ミディアムロースト | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 強い酸味、コーヒー豆の特徴が出やすい |
中煎り | ハイロースト | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | お家や喫茶店でよく使われる |
中煎り | シティロースト | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | お家や喫茶店でよく使われる |
深煎り | フルシティーロースト | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | 苦みの強いコーヒーが好きな方におすすめ |
深煎り | フレンチロースト | ☆☆☆☆☆ | ★★★★★ | 強い苦み、ミルクや砂糖が合う |
深煎り | イタリアンロースト | ☆☆☆☆☆ | ★★★★★ | 強い苦み、ミルクや砂糖が合う |
ユニオンサンプルロースターの使い方
それではユニオンサンプルロースターの使い方を紹介します。以下の紹介記事も参考にしてください。
生豆の計量
はじめは生豆の計量です。ユニオンサンプルロースターは最大450gの生豆を焙煎できますが、おすすめは200g~300gです。あまり多くの豆を投入すると焙煎ムラが生じやすくなったり、時間がかかり香りの浅い豆に仕上がったりします。
ロースターをコンロへセット
次はロースターをコンロにセットします。熱源からの距離を近づけるために台座は外して使っています。ハンドルがテーブルに干渉しないようにテーブルの端で回すか、コンロを嵩上げする必要があります。
ロースターを予熱
生豆を投入する前にロースターを予熱します。コンロの火力は最大に設定し、1秒間で1回転のペースでロースターを回しましょう。投入口に温度計を差し込んで内部の温度を測定します。
私は内部温度が150℃になるまで予熱しています。予熱により焙煎時間を短縮する効果があります。
・回転速度:1回転/秒
・予熱温度:150℃が目安
生豆投入
予熱が完了したら生豆を投入します。一旦火を止めて漏斗を差し込み生豆を一気に投入しましょう。右手で漏斗を支えて、左手でロースターを回すと豆がスムーズに入っていきます。
焙煎
焙煎で重要なポイントは温度上昇率と回転数です。
STEP1 水抜き
焙煎中も温度計を差し込み内部温度を確認しましょう。生豆投入直後は100℃くらいまで温度が低下します。火力は中火にして1秒1回転のペースでロースターを回していきます。5分間で150℃になるよう(10℃/分)に火力を調整していきます。はじめは豆の水分をしっかり抜いていくことが大切です。
STEP1 水抜き
・焙煎開始温度:100℃(生豆投入直後の温度)
・温度上昇率:10℃/分 (5分後に150℃が目安)
STEP2 焙煎度の調整
水抜きが終わったら焙煎度の調整をしていきます。付属のテストスプーンを差し込んで豆の焼け色を確認しながら加熱していきます。少し火力を上げてTotal 8分30秒で200℃になるよう(15℃/分)に加熱していきます。豆の色は水抜き直後は黄色みがかかっていますが徐々に茶色く変化していきます。下の写真も参考にしてください。
200℃付近になると『バチッ・バチッ』と豆がはじける音がします。1ハゼと呼ばれる現象で豆内部の水蒸気が膨張しはじけるためです。1ハゼは1分30秒〜2分で終了します。この段階で取り出すと中煎り(ミディアムローストくらい)になります。
更に加熱を続けていくと『ピチ・ピチ』と油が染み出すような音がします。これは2ハゼと呼ばれる現象で、ここからは中深煎り〜深煎りの領域に入り明らかに煙の量も増加していきます。テストスプーンで豆の状態を見ながらお好みの焙煎度で火をストップしてください。
私は1ハゼ開始から1分30秒〜2分(1ハゼ終了あたり)で焙煎終了するようにしています。
STEP2 焙煎度の調整
・回転速度:1回転/秒
・温度上昇率:15℃/分(Total 8分30秒で200℃が目安)
・200℃付近から1ハゼの開始を確認する。
・1ハゼは1分30秒〜2分で終了する。→ この時点で中煎り(ミディアムロースト)となる。
・2ハゼ開始後は煙の量が多くなるので注意
STEP3 釜出し、冷却
焙煎終了したらザルに窯出ししましょう。この際、煙やチャフ(薄皮)が大量に出るので換気扇の下で行うようにしてください。釜出し後は団扇やドライヤーで冷却しましょう。
ハンドピック
高品質な豆でも虫食いや変形した欠陥豆が含まれています。これらは味覚が劣るのでハンドピックで取り除きましょう。
自家焙煎で美味しいコーヒーを作るポイント
自家焙煎は決して簡単なものではありません。なかなか美味しい豆が焙煎できず諦めてしまう方もいらっしゃると思います。しかし、以下3つのポイントを押さえれば誰でも美味しい豆が焙煎できるようになりますので是非挑戦してみてください。
ポイント1:品質の高い生豆を使う
コーヒーの美味しさは豆の品質で決まります。どんなに優れた焙煎技術や抽出方法があっても品質の悪い豆では美味しいコーヒーは淹れられません。
生豆は質の高いものを選びましょう。初心者さんにはなかなか選ぶポイントがわからないと思います。生豆の価格で1kgあたり2500円前後位を目安に選びましょう。生豆は焙煎豆と比較すると高品質であっても3割位の値段で購入することができます。
ポイント2:一度に大量の焙煎をしない
一度に大量の豆を焙煎するとムラが生じやすくなります。焙煎機の最大容量まで入れないようにしましょう。ユニオンサンプルロースターの最大容量は450gですが、私は200g~300g で焙煎しています。
ポイント3:温度と時間を管理する
温度と時間の管理は最も重要なポイントだと思います。加熱不足だと生焼けの豆になってしまったり、加熱しすぎると炭のようになってしまいます。また、加熱が適切であっても時間がかかりすぎると香りの抜けた豆になってしまいます。
焙煎温度と時間は以下のグラフを参考に調整してみてくださいね。
自家焙煎のメリット・デメリット
最後に自家焙煎のメリットとデメリットをお伝えします。
メリット1:新鮮で美味しいコーヒーが安価で飲める
自家焙煎コーヒーは焙煎したての香り高い新鮮なコーヒーを飲むことができます。また、生豆は焙煎豆よりも安価に購入することができます。美味しい豆を新鮮に安価で楽しめるのはコーヒー好きとしてはありがたいですね。
メリット2:自分好みの焙煎度に調整可能
自家焙煎コーヒーは朝煎りから深煎りまで自分でお好みの焙煎度に仕上げることができます。豆の種類やブレンド比率なども自由自在で世界に一つのコーヒーを仕上げられますよ。
メリット3:コーヒーの楽しみが広がる
私自身、自家焙煎を始めたことでコーヒーの知識や理解が広まりました。豆の種類や焙煎方法で様々な表情を見せてくれるコーヒーの世界の奥深さを知り楽しみが広がります。
デメリット1:時間と労力が必要・片付けも大変
自家焙煎は時間と労力を要します。焙煎するだけでしたら10分〜15分くらいですが、道具をセット〜焙煎〜冷却〜片付けまで1時間は必要でしょう。また、チャフ(薄皮)も大量に発生しキッチンの掃除も大変です。時間にゆとりを持って焙煎を楽しめるくらいになりたいですね。
デメリット2:品質の安定性
焙煎を始めた頃は何度も失敗し豆を無駄にしてしまいました。当記事でお伝えしたとおり、焙煎温度と時間の管理はとても重要ですが、業務用焙煎機のような管理は不可能です。何度も失敗しながら試行錯誤し自分オリジナルの焙煎条件を探っていくのを楽しみましょう。
デメリット3:焙煎機の費用が高額
焙煎機は高額なものが多く、ユニオンサンプルロースターは現在は6万円くらいします。安価なものでも2万円前後は必要でしょう。長く使い込む方でないと費用対効果は得られにくいものになります。
まとめ
本日はユニオンサンプルロースターを使った自家焙煎コーヒーの作り方についてお伝えしました。時間や労力がかかり決して簡単ではない自家焙煎ですが、珈琲好きな方にはぜひ一度チャレンジしていただきたいです。
以下、3つのポイントを押さえればきっと美味しいコーヒーが焙煎できますよ!
・品質の高い豆を使う。
・一度に大量の豆を焙煎しない。
・温度と時間の管理をする。
コーヒー好きな方にとって、コーヒーの世界観をまた一歩広げてくれること間違いありません。興味を持った方は是非チャレンジしてみてください。
これからも皆様のコーヒーライフに役立つ情報を発信していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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